おいしんぼ飯田橋店

飯田橋にある京料理のお店。神楽坂エリアにあって、店へと続く狭い路地は石畳になっている。今日は梅雨の始まりを告げる雨で石がぬれていて、門の左右にある燈籠に照らされていた。なかなか趣深い。

表の設えの風格に比べて、中はもっと庶民的。おいでやすー!という威勢のよい挨拶。おいでやす、という挨拶はほのかに謙虚さを感じさせる程度の大きさで言うものとの固定観念があったのでちょっとびっくり(^^;江戸っ子風京都弁。

お目当ての鱧はなかなか美しく盛りつけられて、おいしそうかもと思いきや、まあ普通。京都の高台寺近くにある京とみという懐石料理店の鱧は旨かったな。肩透かしかと。ヒラメの昆布締めも4ピースで1000円以上の割に特に感動はなし。身が固すぎる感じ。このお店は魚系に弱いのかな?
でも他のご飯は結構おいしかった。どれも出汁がしっかり取られていて、柔らかい後味。かぼちゃとチーズのグラタンは表面にパン粉が振りかけられてパリパリして香ばしく、かぼちゃとチーズのミックスも甘味があって良い。豚しゃぶのサラダは豚がかなりうまい! 驚いた。パスタの替わりに京風うどんを使ったカルボナーラ。うどんを使うアイデア自体は目新しいものではないかもしれないけど、濃厚な味わいでおいしい。

雰囲気としては、田舎にある実家に帰ったような落ち着いたしつらえ。扉に古い木を使ってたりして。ちゃぶ台の木目に残った古傷も結構。気合を入れたデートとかには向かないけど、気の置けない仲間と何人かでご飯を楽しむにはなかなかよいかも。

お目当ての鱧の味は普通だったとはいえ、別にまずい訳ではなかった。多分期待が高すぎたのだろう。味わいに新鮮な驚きを覚えた品が2品以上あったので、4/5点は超えてよいかと。器や料理のプレゼンテーションにも工夫が見られた。東京のお店なのに出汁が効いているものが多いのもポイントが高い。

一方、料理が出てくるのが遅かったり、フロアの店員さんが料理の詳細まで知悉していなかったり、レコメンが出せなかったりしたのはマイナスだけど、東京で京料理を良心的な価格で出すための施策としては納得できるものがある。尋ねたことはちゃんと厨房に行って確認してくれたしね。心地よかった。

という訳で、久々の4.3点/5。

定休 日曜

03 3269 0779