富士経済の外食産業マーケティング便覧2006によると、日本のラーメン業界(外食)の市場規模は約4037億円。家庭での消費も入れると7000億円位とか。乱暴に割り算すると、一人当たり年間7,000円食べている計算。まじですか? すごいなー。

一方、家で食べるラーメンは話が違う。ちょっと塩気をおさえたサッポロ一番に、刻んで茹でたネギ・キャベツ・半熟玉子を入れて食べるとなかなかに美味しい。あんなに簡単に作れるのに大したものだと思う。出汁の粉末を全て入れてしまわない所がこだわりだ。

そう考えると、別にラーメン自体が嫌いなわけではなくて、塩気が薄くて、脂っこくないものが好きなだけかもしれない。であれば、お店でラーメンを食べる時は、お湯か水で割ってみたらよいだろうか。いや、ラーメン屋のおやじといえば頑固の概念を体現したものの代名詞だ。そんな事をしたらきっと殴られてしまうに違いない。ほかのお客さんにも当てつけがましいし。やはり八方塞がりか! (← 考えすぎ)

閑話休題
そもそも何故ラーメンが食べたくならないのか? お酒を飲んだあとのラーメンは絶品だ、という人が多い。ラーメンの良さが一番発現する時でさえ、ラーメンを食べたくならない理由を知ることで、何かが分かるかもしれない。そう思ってアルコールを飲んだ後にラーメンが食べたくなる理由をネットで検索してみた。そうしたら大体以下のような事が書いてあった。

1) アルコールを分解する際に糖分が大量に消費され、血糖値が下がるため空腹になる→ 炭水化物を多く含むラーメンが食べたくなる。
2) アルコールを飲んだ後は体が酸性になるため、アルカリ性食品(かんすいを含む)のラーメンが食べたくなる
3) 分解したアルコール分をミネラルと共に尿として排出してしまうので、塩分がほしくなる。
4) 飲んだ後のラーメンは定番である。

ふーむ。なるほど。

1) はそうなのかもね。最後の締めのお茶漬けとか、うどんとかも基本は炭水化物だし。きっと血糖値が下がって空腹だと感じるのでがっつりしたものが食べたくなるのでしょう。
2) 酸性のものを食べたら血液が酸性になったりするという説は、体内の恒常性(ホメオスタシスというやつね)に挑戦している仮説のようでにわかには信じがたい。ワインはアルコール飲料の中では唯一アルカリ性ということだから、この仮説を簡単にチェックするには、ワインしか提供していないワインバーの前で、でてきたお客の足どりがラーメン屋に向かうかを観察してみたら良いかもしれない。そんな物好きも少ないだろうが。
3) 血中濃度が低下するほどミネラルが排出されてしまったら大変だけれども、確かに尿素(H2N)2C=O は塩分(NaCl)やタンパク質(C,O,N,Hがいっぱい)を起源とするので、これはあるかもしれない。
4) 心理学でいうところの強化学習がなされているということでしょう。一般的によくあることだね。

この流れで考えると、自分が飲んだ後にラーメンを食べたいと感じないのは、
1) 血糖値が大幅に減少するほど飲まない OR 他の炭水化物で代替してしまう
2) そもそも体内酸性→アルカリ性食品希求仮説が間違い OR 正しかったにしても、お酒と共にアルカリ性食品を多く摂取するから体内が酸性になってない
3) 塩分の排出が不十分 OR 食事中に塩分を十分摂取していて、排出量を補っている。
4) 単にラーメンがあまり好きではなく、飲んだ後に食べるものとしての想起リストに入っていない。
5) その他

日常生活においては、
1) 血糖値が下がる
これは日常生活でもよくある。ご飯の前とかね。どうやら血糖値が下がっても、ラーメンを食べたくならない体らしい。
2) 体が酸性になる
こんなことってあるのかな? 血液が酸性になったら命が危険だけれど。酸性vsアルカリ性食品というのは栄養学的に根拠が希薄なので、ここでは無視。
3) 塩分が足りなくなる
日常生活で塩気の多いものを食べたいと思うことは時々あるけど、そこにラーメンは入って来ないね。せいぜい煎餅だ。あとは揚げ餅に明太子をまぶした煎餅。我ながら食の指向がじいさんだ。
塩分をあまり必要としない体質があるなんて聞いたことがないけれど、ともかく実感値としては塩分が無性に食べたくなることは少ない。
4) 想起リストに入っていない
原因でもあり結果でもあるけど、ラーメン屋には足が遠のいている。ラーメン屋のラーメンは大抵辛いし。

なんとなく分かってきた気がする。
自分の場合、塩分はほぼ間に合っているから特に塩辛いものを望むこと自体が稀で、炭水化物についてもラーメン以外のもので十分代替可能であるため、特にラーメンを食べたいという気持ちになることが少ない。加えて、とかく一般的なラーメン屋は辛いという認識が強く、ラーメン屋に対して否定的な強化学習が積み重ねられている。それらの事情はアルコールを飲んだ後であっても変わることはなく (塩→アルコールによる排出を補う摂取量がある、 炭水化物→ラーメン以外で補う、 辛いから食べたくないイメージ→ 飲んでも変わらない) 従って、平常時であろうと飲んだ後であろうと、特にラーメンを食べたいとは思わないのだろう。

予見した通りのぐだぐだエントリになってしまった。ここまで読んでくれた奇特な方、どうもありがとうございました! 今後はもっとがんばります。。m( . . )m