ざくろ

日暮里にあるイラン料理のお店。グルメ友人から「面白いよ」という漠とした噂を聞いて急行。確かに実にユニーク。近年訪れた店の中では際立って強い印象。年末ということもあり、かなり混んでいた。

10m四方くらいの店内には机と椅子はなく、絨毯が引き詰められてある。壁にも絨毯がかかっていて、他にも壁には美しいペルシアタイルの装飾が施されている。お客さんはみんな机代わりの板を囲んで座る。海外のお客さんも結構いたな。

イラン人らしい店長のテンションが半端じゃなく高い。「ハイ!仕方ないからこれタベトイテ!!」とか「ッフォーーー !!」とか「ケンカしながらタベテー!!」「ガンバッテー!!」などなど、何度聞いたか(笑)。お店からでる頃にはみんな完全に慣れる。客のいじりも「このスーツお店に似合ってナイヨ!!」とか「ごはん食べたらとっととカエレー!!」とか「コノ人追い出したらワタシサービス10バイ」などときわどい。テキトーに選ばれた人が、イランの服に着替えさせられる。特に説明はない(笑)

ごはんは全体的に結構美味しい。店長によると、ペルシアの宮廷料理人をしていた人がごはんを作っているそうだ。「単品あるけど絶対ススメナイヨ!量半分でもっとタカイ!」という事でみんなコース料理。作るそばからどんどん持ってくる。豆のスープとか牛すじと香辛料の煮込みスープとか、食べ放題のナンとか、山羊のチーズとか、どれも結構おいしい。あと、店長は手が空いたらキャラメルとかお菓子を上から飛散してお客に配る。他にも、干したざくろを段ボールごと出して目の前で開けてくれる。飲み物を頼む時は要領よく頼まないと、「後で!」と断られ、暫くオーダーのタイミングを逸するので注意する必要がある。

ベリーダンスは平日だと思っていたら、休日にもベリーダンスショーがあった。衣装の露出度も高く、かなり官能的なダンスなので、至近距離でダンサーと接触した友人(男)は完全に沈黙。反応に困っていた姿はかなりウケた(笑) 意外に女性の方が純粋に楽しめてた感じだった。

料理が一段落すると一席に一つ水煙草が用意される。複数の筒が重ねてある専用のポットで、上が煙草を熱するパーツ、下がフレーバーで香り付けをするパーツ。キュウリのフレーバーと言われたものや、いちごのフレーバーを試してみたが、甘いフルーツのポプリのような、バニラのような、そんな香りだった。

以前日本でざくろブームが起こった時、イランの名産品であるざくろ(ざくろはイランが原産地なのだね)を日本に輸出しようとして、手筈を整えたころにはブームが終わっていて仕方ないからレストランを始めたという由来から「ざくろ」という名前がついたとか。以前店長と話したという友人談。
この店長が全体のプレゼンテーションや顧客経験に与える影響が絶大。お店のレイアウトや、ベリーダンスショーというアイデアも、料理も資金繰りも彼がやっているのでしょう。エネルギーレベルが尋常じゃない人がいると、お店全体も変わるものなのだね。飲食店での店長の大事さが分かった気がします。

値段はどんぶり勘定。一人3,500円くらいだった。たらふく美味しいイラン料理を食べられて、ダンスも観れて、あの店長の不思議な接客マジックを体感できる料金としては、安いと思います。

さて、全体の印象を総括しようと思ったが・・・店長も料理もお店もサービスも内装も強烈すぎ(笑)。もう点数とかじゃないね、この店に限っては^^; 今までと同じお店のランキング方法を拒否する外れ値っぷり。
絡まれたい人はキッチン近くに、絡まれたくない人は離れたところに座るといいでしょう。
目の前にいたかわいそうな2人組のお客は、そっこーで引きまくり、料理を食べずに帰ってました。行く時は慎重に同行者を選んだ方が良いです。Visit Zakuro at your own risk!

03-5685-5313
定休: 無休
平日: 11:00 - 15:00 ? - 23:00
土曜: 11:00 - 15:00 ? - 23:00
日祝: 11:00 - 15:00 ? - 23:00