Heidelberg


Heidelbergの町。人口約15万人。
親切な人が多かった! 良い町でした。

自分はどうすればもっと思いやりのある人になれるのだろうか、って考えてしまうほど親切が身に沁みました。
人が親切になるかどうか、何が影響しているのかな。利他性の源泉。
学問分野で言えば、、、

1 経済学ではフォーク定理(民俗定理)などがある。でもこれは自分の効用をあげるために他者に対して協調行動をとるというもので、利他性というよりは互恵性についてのお話のような気がする。互恵性はものすごく単純化すれば、要はGive & Takeのこと。おれが親切にしてあげるから代わりに親切にしてくれ、というものなので、旅先での親切の話からは外れる。

2 ゲーム理論のように協調行動を分析するものもあるけれど、「一般的信頼感」が高い人が利他的行動をとる、くらいの当たり前じゃん的な結論しか利他性を説明していないように思える。不勉強なだけか?

3 進化心理学・人間行動生態学とかは、人間の心理メカニズムの進化的由来や生存確率、繁殖確率などを探る学問で、これは結構近い。チンパンジーとかボノボとかの種族にくらべて人間の協調行動の特徴を分析したりしているからね。惜しむらくは人間の中にある行動の多様性の説明が不得意だったり、「そういう特性を獲得した種だから、淘汰に勝った」みたいなトートロジーがでちゃうことかなぁ(そんな反証不可能な命題を持ってくるのは一部の自称心理学者の人達だけかもしれないが)。でもやはり人間のいろんな行動の源泉をさかのぼって、他の種との比較してくるのは功績として大きいよね。人間の「笑い」の源泉は、外的の接近を猿が群れに伝えて、でもそれが誤警告だったことがわかった時に高い声を短く連続的に発することにあるとか、興味深い知見も沢山。

4 発達心理学・異常心理学。多分この分野が一番近いよね。利他性がどのように獲得されていくのか、どういう要因が利他性を後押しするのか、とか。
利他的行動の元になる、相手に対する思いやり(情緒的共感 という名前がついていたりする)とか、そもそもの思いやりのさらに元となる認知的共感(相手の立場に立ってみれば、どのように物事が見えるか)などの研究。認知的に共感できた(例:今相手の立場からすれば、困難な事態が起こっており、相手は困惑している)としても、それを自分のことのように感じられる(例:つらい気持ちでこちらまで悲しく。なんとかして解決の一助となりたい)のは別だし、そこから実際の利他行動がおこるのはまた次の次元の話だよね。このあたりの分析にはかなり興味がある。心理系の人がいたら、利他行動の促進要因について聞いてみよう。

学問ではないけど、経験・勘にたよる。
やっぱ余裕がある人は親切だよね。逆に、余裕がない人は人に親切には接せない。ものすごく疲れていると、電車でお年寄りが乗ってきても、席を譲れないよね。
あと、利他行動が自分にとって不利益がある場合と、自分にとっても利益がある場合だと、後者の方が利他行動を起こしやすい。うまくトレードオフではないようにすればいいんだけどね。
 
利他行動結果(予測)と、利他行動をする確率
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相手       自分          利他行動
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メリット     デメリットあり →   しにくい
メリット     デメリットなし →   しやすい
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またまた話題はずれるけど、もし親切な人の人口構成比とか尺度化できるものがあれば、ここは絶対高くでると思うんだけどなー。
どうやって測定したもんか。

1 駅前で観光客のふりをして道を聞いて、何人が立ち止まってくれるか。
→ データ取る時の倫理上の問題がありそう。本当は困っていないのに困っているふりをして助けを求めてはいかんなぁ。もしデータを取るにしても、新しく調査作業が発生してしまうので、データの入手が難しそうだ。

2 経済パフォーマンスと比較して、消費者金融の進出程度が遅い。
→ データはすぐに手に入りそうだけど、消費者金融からお金借りるのは、周りの人が不親切でお金を貸してくれないからだという短絡的な前提に基づいて微妙。生活コストの高さ、職探しの難しさの程度とかの経済要因の方がずっと強く影響してしまう気がする。だめだ。

3 利他性を決定するDNA中の塩基配列を見つけて、病院に登録されているDNAサンプルにそれがどのくらい含まれているか。
→ 奇抜すぎる。そもそもそんなDNAまだ特定されてないし、遺伝子があってもそれが発現する環境因子にも言及なし。

4 地球の歩き方、旅行の口コミサイト 4Travel http://4travel.jp/ などで口コミ・旅行後記を見る。
→ まあコストの低さと妥当性ってことでいえばアイデア的に一番ましでしょうか。
4Travelにハイデルベルクもあったし。 http://4travel.jp/overseas/area/europe/germany/heidelberg/
難を言えば数値化されていないところかな。文章全体からセンスするしかないからね。行きたい場所の候補が2〜3に絞られた時に、チェックして参考にするとかの使い方なら十分かなー。
でも、もう一歩進んで、旅行後の評価が数値評価されて、一覧になっているようなものがあれば使ってみたいものです。評価者の属性を自分と一致させることでスクリーニングとか、評価を自分向けにカスタマイズなどできるとなお良いよね。旅行だけじゃなく、食べ物とか音楽とかお店とか本とかまで広げられそう。

なんだか話題が飛びまくってしまった。とにかく良い町でした、というお話。
これはネッカー川。ホテルに帰る途中に、ネッカー川のほとりの定食屋さんの家族と仲よくなり、彼らが船に乗せてくれたのでした。