Accordの海外CM

海外の、車のCMエントリが続きます。勝手に一人ブームでw

Honda Accordの海外CM。
"Accord"は文字通り"Cord"を"a-"一つにする・揃えるという語源で、調整する(というプロセス)とか、調和(という結果の状態)を意味する。"Cord"を含む言葉では、他にもcordination(コーディネーション)とか、concord(一致)などがあるよね。

名前の意味を念頭に置いて視聴すると面白い。
http://www.google.com/url?sa=U&start=1&q=http://video.google.com/videoplay%3Fdocid%3D-4341945450931442754&e=14905&ei=LnA1RdrOH5fMpwKX7thg&sig=__YUrKA0j5d7OwKyZklVHlGZmNrKc=
上のCMでは、"Accord"を構成する部品が"Accord"しながら、からくりドミノの要領で進んでいき、最後に"Accord"本体が完成する、という寸法。マフラーやワイパーなどの馴染みのあるパーツの動きが予想外だ。特にワイパーが歩くように動くのは面白いギミックだよね。ラストの垂れ幕みたいなやつは何だろう?こんな部品あったかな。最後の垂れ幕で"Accord"と出た時は思わずにやりとしてしまった。「ほほぅ」と。

全体的に好感触なCMでした。いい製品コンセプトに、いいアドアイデア(広告で提示するストーリーの要って意味で使ってます)だよね。"小さな部品の細部に至るまで、Accordされている高性能な車。Accord" というのが製品コンセプトで、それを広告に変換するために考え出したアドアイデアが、"Accordはその名の通り全てがAccordされた造りなので、構成パーツでからくりドミノが作れてしまう"という事だろう。もっと厳しい条件で、それなのに奇跡的にドミノが完成するという方がもっと目を釘付けにするとは思うけどね。でもこれでも十分いけてると思います。

閑話休題
どれも煮たり寄ったりの日本の車のCM("国内で放映される"日本車のTV広告 という意味ね)とは違い、特徴的で注意を引いてくれる。(ToyotaもMusic player bBで特徴的なCMを打ったと思うけど、単に特徴的なだけで、的外れだった気がするし。)AccordのCMのような、こういう見せ方 Execution を提案できる広告代理店もいいし、それを承認できる会社も太っ腹で素敵だ。なんで日本国内では出来ないのかなー??? 不思議未解決Box行き。

仮説としては、典型的日本企業と典型的欧米企業の、マーケティング担当者のキャリアパスの違いに原因が求められるかもしれない。典型的日本企業のマーケティング担当者は、多くの職域を経験するジェネラリスト。一方典型的欧米企業のマーケティング担当者は、マーケティングに特化したスペシャリスト。ジェネラリストを育成するかスペシャリストを育成するのか、どちらがよいのかは一概には言えないし、転職市場の発達度合いによって適合する戦略が異なるので単純な巧拙は論じられないと思うけど、特徴的なCMを作るという観点ではマーケティング担当者はスペシャリストの方がいいのだろう。だってさ、特徴的なCMってことは、「こんなCMみたことない!」と言えるCMでしょ。つまり「前例がない」。広告制作の経験の浅いマーケティング担当者であれば、過去のCMや、現在競合が行っている類似広告と同じようなことをやっておくのが一番穏当なところだろう。スペシャリストであれば、他に例がなかったとしても蓄積されたエクスパティーズで何とかなりそうなものだろう。

などと、特徴的なCMができやすい人材戦略とそうでない人材戦略で日・欧米を比較して勝手に仮説を考えてみましたが、どうなんでしょうね。依然として未解決Box中。新しい疑問が生まれたエントリでした。