FreeCaster スポーツと音楽の動画コンテンツ配信サービス

Freecasterっていうオンラインでフリーのスポーツコンテンツ・音楽コンテンツをストリーミングしているサービスがある。The source for sports & music beyond TV と銘打っているのだが。

試みとしては面白い。例えばBMXとかのイベントを打った人が勝手に動画をアップして、その動画がスポーツコンテンツの中の、BMXのコーナーからストリーミングされる。Captionを入れてもいいし、お店やブランドの宣伝をしても良い。FreeCasterの運営には、BraunとかRed Bullとか、Extreme Sportsに親和性のありそうなブランドが加担しているようだ(広告が入ってるからね)。で、ビデオの最後には広告が入る。

イベンターにとっては、一介のイベントでも面白いコンテンツさえ作れれば、それを広い地域に(といってもヨーロッパのコンテンツが多いので、おそらくサイトにアクセスする人もヨーロッパの人が多いのだろうが)ブロードキャストできるのはいいツールだね。
スポーツを楽しむ人にとっても、例えばサーフィンでもスノボも、いい技を持っている人のプレイがまとまって見られるのは嬉しいね。
広告を出稿するメーカーとしては、Sporty とか Energetic とかいうイメージを当該ブランドと関連させたいのであれば、常にターゲットがアクセスしてくれるSportsメディアでExposureが稼げるのは、嬉しいといえば嬉しい。

加えて、コンテンツをBlogに張り付けたりする機能も備えていて (こんな感じね ↓)、このツールを広げようという努力もしていて、結構Web2.0的なアプローチを指向しているようだ。

という訳で、Web2.0的なアプローチでWin Winを作っているサイトでGoodな訳だけども、残念な点もいくつかある。

例えば、1)コンテンツの質がどんどん上がっていくアーキテクチャが作り込まれていない点。
自由にコンテンツをアップロードできるようにすると、爆発的にコンテンツ数は増えるのだけど、そうすると良いコンテンツをスクリーニングするためのツールがないと、どうも閲覧が大変になる(お目当てのコンテンツにたどり着くまでに時間がかかるからね)。
今はUpdate順にただ流しているだけだからね。このままコンテンツ数が多くなっていったらUseabilityは極端に低下しそうです。

最も簡単な解決策は、Votingでしょう。5段階くらいで評価させたりね。あとは、閲覧数ランキング。投稿系のWebだったら当然といえば当然あるべき機能。YouTubeにもあるし、Pya! にもある。
もうちょっと高い精度で自分好みのコンテンツを予測させるとすれば、Amazonがやっているお勧め(この本を買った人はこの本も・・・ というやつね)とか、映画批評空間http://cinema.intercritique.com/がやっている協調フィルタリングとかね。アルゴリズムまで詳しくは分かりませんが、自分と評価のパターンがにている人が高く評価しているものをレコメンしてくれるカラクリね。

2) 他にも問題があるとすれば、バイラルで広がっていく仕組みの作り込みが弱いところ。MixiとかGREEとかって、友達からInviteされないと入れないという特別感があって、かつ、オンラインでも友達がリンク申請を受取ってくれて、自分が友人を増やしている錯覚にちょっと嬉しくなったり、そういう報酬体系があるからこそあれだけ爆発的に増える*1のだと思うのだよね。そういう仕組みがない。
ただでさえYouTubeみたいにジャンルのしばりをなくして、サーバーも強くて、コンテンツを誰に公開するかのカスタマイズ性に優れていて、ビデオの再生回数で人気のフィードバックが受けられて、ビデオ表示のタグをそのままブログに張り付ければ即自分のサイトに移植できて、、、という至れり尽くせりな動画SNSの巨人がいる状況なので、もはや難しいのかもしれませんが。

2番目の解決策ってなんだろう?なかなか思いつきませぬ。それだけバイラルで広げていくのが難しいってことでしょうか。MixiGREEを抜いたのは、どういうアーキテクチャに起因していたか、今度調べてみたい。