売上に責任を持たない人の低モチベーションをどう解決するか

売上に責任を負っている人と、負っていない人で、モチベーションが全然違うことがある。例えば、急ぎでまわさないといけないスケジュールに対する考え方も違ったりする。売上に責任を負っていない人は、典型的には、長いスケジュールで十分なリードタイムをもって今まで通りのルーティンをこなそうとしてしまう傾向にある。

それで迷惑をかけないんだったらいいんだけど、(いや、本当は労働生産性がおちるので看過はできないんだけど)売上を確保する為に臨機応変な対応をしようとしている他の人の足を引っ張る人がでてくる事がある。めっちゃ迷惑なんだ、これが。

売上に責任を負っていれば、競合がいきなり何かしてきたら対応しなきゃいけないし、売上のトレンドをみながらマーケティングプランの軌道修正しなきゃいけないし、色々大変なんですわ。頼むから足を引っ張るのはやめてくれ〜!ていうか俺の2週間をかえせ〜 (><)
・・・なんて思いをしたことがある人もいるんじゃないだろうか。(笑)

まあ、解決すべきは、今の「売上に責任を負っていない人」に対して、リードタイムが短いワークであってもこなそうというモチベーション・インセンティブを与えられていない組織設計なんだよね。決してその人たちが、人間として悪い訳ではない。当たり前だけど。組織設計を憎んで人を憎まず。

ではどのような組織設計があれば解決できるのか?

1) 査定
まあ、一番直球なのは査定に入れ込むことだよね。
リードタイムが十分には取れないプランであっても、チームとしてそのプランを実行すると意思決定した場合には、それを十分にサポートできるかを、その人たちの評価基準にしてしまう。当該職責の範囲内で問題が起こったら当然その人の責任だけど、その範囲を売上に責任を持っている人と、そうでない人の間でうまく配分する。(例えば製品品質の問題が発売の直前に分かったり、広告の出稿直前になってから「やっぱり法律上の問題があるから出せない」と言い出したりしたら、だめよ、ということにして事前に手を打つことを促せる責任分担にする)

2) アウトソーシング
売上に責任を負ってない人は、組織からなくしていこうという発想。
自分に利益がないから手伝えないのであれば、手伝えば自分に利益がある人に仕事をふればよい。外部のベンダーであれば、「リードタイムが短い分深夜労働が増えるので○○だけ料金上乗せしますよー」、みたいな形で自分にとっての利益がえられる。また、クライアントの売上に貢献していないと判断されれば、他のベンダーに取って代わられる恐れがでてくるので市場原理によるクオリティの改善が期待できる。
これは突き詰めると、当該組織の中にいるべきなのは、売上・利益に責任を負っている人のみで、残りはアウトソーシング、という発想に行き着く。

3) 内発的動機付けによる解決
アウトソーシング案よりずっと温和なアイデア。(ぬるいアイデアかも?)組織の一体感、informal organizationの利用、個人のCareer Visionと業務の一致性をもたせる、などで内発的動機付けをつけるアイデア。
組織の一体感っていうのは、「この目標に向けてがんばるぞー」でもいいし、「お客さんにこの商品の良さをつたえるぞー」でもいいけど、組織で共有できる価値観によって、組織構成員一人一人にもたらされる求心性・凝集性のことを言おうとしています。これがあれば、たとえサポート部門の人が売上には直接責任を負っていなくても、「なんとかしよう!」というモチベーションを生まれさせることができるかもしれない。
同様に、個人的にも仲のよい人の頼みだからがんばることにしよう、とか、この難しい業務を成功裏に達成できれば、今後の自信につながるからがんばろう、とかね。
個人の内発的動機付けを利用することもできるかもしれない。

以上3案は、体系化すると、

組織内にいるモチベーションの低い人をどうするか
├そいう人は、組織内に置いておかない
│ └→アウトソーシングによって解決する
└そういう人でも、組織内に置いておく
├→外発的動機付けによって解決する (査定 評価)
└→内発的動機付けによって解決する (組織の一体感、Informal Organization、Career Visionとの一致など)

まあこんなもんすか。