ライフイズビューティフル

ライフイズビューティフル

1997年 イタリア

監督: ロベルト・ベニーニ
脚本: ロベルト・ベニーニ
出演: ロベルト・ベニーニ

98年 カンヌ国際映画祭審査員グランプリ受賞
98年 ダヴィッド・ドナテッロ賞 8部門受賞
99年 アカデミー賞3部門受賞(主演男優賞/外国語映画賞/作曲賞)

1939年のイタリアが舞台。ユダヤ系イタリア人のグイドは共生収容所内での過酷な生活の中、子供を悲しませないために"これは戦争じゃなくてただのゲームだ"と言い聞かせる。ユーモアの才能が家族への愛に向けられていて、その真摯な姿が涙を誘う。

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ロベルト・ベニーニ ニコレッタ・ブラスキ ジョルジオ・カンタリーニ

角川エンタテインメント 2005-08-26
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******以下ネタバレ注意*******

******以下ネタバレ注意*******

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展開が面白く、ロベルト・ベニーニの世界に引き込まれる。前半は彼のユーモアのセンスが愛しの女性を口説くために使われている。後半ではその対象が子供のために使われる。ドイツ人将校のドイツ語の命令を、ゲームのルールに翻訳するシーンははらはらどきどき。巧妙にできている。殺される寸前まで、子供にゲームを信じさせようとする姿には感涙を禁じ得なかった。

但し、600万人が虐殺されたホロコーストを舞台喜劇の舞台にする事に関しては、便乗の謗りを免れないだろう。日常的に虐殺に関わっている医師が、なぞなぞの事だけを気にしているエピソードも余りにも軽薄。ベニーニ本人がユダヤ系かどうかは知らないが。人間を石鹸にしたり、ボタンにしたり、薪にしたりするなんて冗談に決まってるじゃないか(笑)、と子供に言うだけでは反戦の主張としては不十分。反戦映画として見た人は、辻褄合わせ的なストーリーや、殺戮の扱いの軽さ、ディテールでの矛盾など、反発さえ覚えることもあるだろう。"シンドラーのリスト"での鬼気迫る描写と比べれば、"ライフイズビューティフル"は人間性への訴求が遥かに弱い。

ホロコーストを簡単に素材にしてしまっている点は、やはりまずい。
でも、ほろりとさせる喜劇としては、高い評価を得る資格は十分にあると思う。
お勧め。