イノベーションと態度

ライト兄弟が、人類初の動力飛行に成功したのが1903年の12月17日。
丁度今から100年前になる。

当時は米ノースカロライナ州で12秒間、距離にしてわずか37m弱の飛行が、
今や地球を一回り出来るほどの技術水準を実現させている。
すごい話です。

まだ見ぬものへの人の猜疑心は強力ですね。
今でこそ当たり前になっている技術も、その昔は以下の通り。

「空気より重い」空飛ぶ機械は不可能である。

  • 王立科学協会会長 ロード・ケルヴィン 1895年

私が思うに、コンピュータの市場は世界的に見て多分5台くらいだろう。

  • IBM会長 トーマス・ワトソン 1943年

どんな人でも640キロバイト(のRAM)もあれば十分なはずだ。

There is not the slightest indication that nuclear energy will ever be obtainable. It would mean that the atom would have to be shattered at will.
Albert Einstein (1932)

そしてこれが1903年12月17日、オービル・ライト手記

朝起きると、毎秒9から11メートルの北風が吹いていた。マシーンを早々に納 屋から引き出し、信号旗を揚げて沿岸警備隊施設に合図を送った。我々が飛 行準備をしていると、ダニエルス、ドウ、エタリッジ、ブリンクリー、ムーアの5 人が見学に集まって来た。エンジン、プロペラを回して準備を整え、10時35 分、私は最初の飛行に向けてマシーンに乗った。この時の風速はおよそ9メートル強。(訂正、政府の公式な風速計では12メートル。)
ロープを解き放すとマシーンは滑走を始め、11km/hから13km/hくらいま でスピードを上げた。マシーンは4番目のレールにさしかかったところで中に 浮いた。ダニエル氏は、まさにレールを離れる瞬間をカメラに捕らえた。前方 の昇降舵が重心に近いために過敏な反応を示し、上下運動を制御するのが 非常に困難だった。結果としてマシーンは10フィート上がったかと思うと、今 度は地面に向かって急降下した。レールの終端から100フィートくらいのところ で突然地面にたたきつけられた。飛行時間12秒。

流石です!まさにイノベーターの鑑!
この態度を見習わないといけないね!
でも、実は当のライト氏も
"Man will not fly for 50 years."
Wilbur Wright, to brother Orville after a disappointing flying experiment in 1901.
と言ってたりして(笑)


友人は今頃ドイツへの国際便の機内にいるはず。
どうか、幾多のイノベーションに支えられ、
飛行機が無事にフランクフルトへ着きますように。