先行研究 01

遠藤公久 2000 Computer-Mediated Communication(CMC)における親密化過程に関する探索的研究 ―自己開示と対人印象の視点から― 日本赤十字看護大学紀要 14, 1-10

■Key Findings
匿名のテキストチャットであっても、リラックスした会話は可能であり、親密感が形成される。

■Methods
20名の大学生(男女ペア)に、30分×3回のテキストチャットを通じての匿名コミュニケーションを行わせ、親密度合い・自己開示の度合いについて客観評価・主観評価を測定した。

■Details
自己開示・リラックスの程度、相手の自己開示の返報性認知と相手に対する満足度・親密感が高いことがCMCでも確認された。
共感性・共通の関心・信頼感がセッションを重ねる毎に高まることも確認。

■Commments & Implication
面白い実験。今後の研究アイデアを即発してくれるペーパー。
ただ、親密感の変化を、前回のセッションでの親密感からの変化量(-5〜+5の11段階評価)をさせて、+1.5程度でも統計的に有意な親密感の増大だとしているが、11段階のスケールで+1.5の変化量は微細すぎる。また、FtFとの定量比較が成されておらず、結局CMCの親密化を推進する能力については分からない。

■key words
コンピュータ・コミュニケーション、親密化過程、自己開示、対人印象、匿名性