ハッピー・フィート

ハッピー・フィート

2006年 豪=米
http://wwws.warnerbros.co.jp/happyfeet/

いまさらだけど見てみました。
あらすじは以下の通り。

南極の皇帝ペンギンの群れ。ペンギンたちはそれぞれの“心の歌"で求愛し、世代を継承していた。けれど、ある夫婦の間に生まれたマンブルは大の音痴。歌姫グロリア以外の皆からバカにされる。彼にはダンスの才能があるにも関わらず異端児扱いされ、追放されてしまうのだが・・・

ハッピーフィート
ハッピーフィート河井 直子

メディアファクトリー 2007-03
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映画を鑑賞する時は虚心に楽しみ、レヴューをする時にはテーマ設定、ストーリー、表現技法に気を配るようにしているのだが、今回はそもそも楽しめず。残念

歌とダンスというテーマ設定や、フルCGとコーラスを活用した表現は良かったけど、ストーリーがダメすぎたね。アカデミー賞の長編アニメ映画賞をもらっているのは苦笑してしまう。まあ、こういう作品に触れるからこそ、本当によい作品に出会った時に感動が際立つのでしょう。

ネタバレ注意

ペンギンたちはいつも通りの心の歌の文化を謳歌しているのだけれど、段々と魚が捕れなくなって来たことに不安を覚え始めている。長老たちは、マンブルの奇怪なダンスがその不漁の元凶と主張し、彼を追放してしまう。マンブルは違うペンギンたちの群れの中で、エイリアン = 人間 に会ったと称する長老ペンギンに出会い、人間に助けを求める為に仲間と共に旅に出る。旅の果てでマンブルはトロール漁船が魚を大量に捉えている場面を目撃し、止めさせようとするが力及ばず倒れてしまう。気付けばアメリカの水族館に収容されてしまったマンブルは、しかし、そこで得意のダンスを披露し、注目を集め、人間たちはマンブルを南極に返すことになる。同時に、南極付近での漁業は禁止され、マンブル達は幸せに暮らしましたとさ。

ということでした。歌の文化に対するダンス、っていうテーマでのスタートは面白いにしても、主人公が追放されてからのストーリー展開がつまらない。人間につかまってダンスを披露したら、環境保護団体が動いて漁業を禁止って言われてもなぁ。うまい対立軸を設定できた訳でも、何か掛け合いがあったわけでもなく、マンブルはただ1回踊っただけ。

ただ、映像表現技法は卓越していたけどね。ダンスシーンはタップの神様と言われているセヴィアン・グローバーが踊ったのをモーションキャプチャによって取り込んでいるらしい。
あと、南極の風景はとてもきれいに再現されていました。ペンギンたちの演技もよかった。それだけに中盤以降のストーリーの稚拙さが悔やまれる作品。