ションヤンの酒店(みせ)

ションヤンの酒店(みせ)

監督:フォ・ジェンチイ (『山の郵便配達』 の監督)
出演:タオ・ホン、タオ・ザール、パン・ユエミン、 チャン・シーホン、ヤン・イー
配給:日本ヘラルド映画
http://www.syonyan.com/

淡々と描きすぎていて、ドラマ性はに乏しい。
ただ、リアリティの描写はなかなか。
陶紅(タオ・ホン)の演技力がそれを支えている。
加えて、雨のシーンの演出は雰囲気がとても良かった。
小雨、土砂降りの雨、など。
全体のトーンはとても暗い。

ションヤンの酒家
ションヤンの酒家タオ・ホン フォ・ジェンチイ タオ・ザール

東宝 2004-09-25
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おすすめ平均 star
star現代中国を生きる人間模様
star鴨の首美味しそう ビールに合いそう
star『わたしはいつも、ここにいるわ』

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******以下ネタバレ注意*******

******以下ネタバレ注意*******

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全体としてトーンが暗く、結局のところ救いようがない。
親族のこと、家族のこと、店の立ち退き、彼女自身の恋愛、全て上手くいかない。
ストーリーを貫いていた軸は、ションヤンの、子供や家族への愛情と
それが叶えられないことによる苦しみ・嫉妬だと僕には見えました。

弟も麻薬から立ち直れるのか分からないし、
家を取り返すために利用したお店の手伝いの娘の結婚生活も悲惨になることを予見させる。
彼女自身の恋愛も上手くいかなさそうな雰囲気。
最後のシーンは、運命に翻弄され、何もかも上手くいかない自分のちっぽけさを嘲笑するかのような涙顔。
正直、へこまされました。

現代の日本は第三次産業の発展や、高学歴化のトレンドの中にあり、
女性の社会進出、仕事と家庭の両立を推進する社会規範が形成されつつある。
その価値体系に賛成する人はこの映画を見てすごく残念な気分になるだろうし、
反対する人達はきっと「そらみたことか」、と言うのではないだろうか。
今の日本で受ける作品には到底思えない。

実業家の卓氏が鈴木宗男にウリ二つだったのは笑った。

重慶の旧市街に一軒の屋台を持っている女性がいる。ションヤン。一度の離婚歴、子どもはいない。彼女の酒家は流行っている。売りものの"鴨の首"の美味もさることながら、何よりも美人で勝気なションヤンの"キャラ"が人気を呼ぶのである。通い詰める男が何人かいた。

しかしションヤンは悩みも多かった。彼女の親族、実の父、兄夫婦、弟、それぞれが一身上の問題を抱え、それらすべてに彼女自身が関わらざるを得なくなっているからである。さらにこの心地よい屋台街にも都市開発の波が押し寄せ、酒家(みせ)が失くなってしまう不安もある。自分の恋もままならない。かくて、ションヤンは毎日闘っている――。

(公式サイトより)