In This World

In This World
観てきました@シャンテシネ

パキスタンの難民キャンプで育った孤児の男の子が
いとこの兄と一緒に、
イギリスを目指して命懸けの旅をするお話です。

移民のことを余り真剣に考えてこなかったので、
考える良いきっかけになりました。

映画としては、心理描写というよりも、事実の叙述に力を入れていると思います。
中東の映像が物珍しく目を引きました。
また、映像がまるでその場にいる人の目線で見たように編集されていたのが巧妙でした。

主人公もいとこの兄も、
二人とも本名で出演しているそうです。
主人公のジャマール君は
実際にイギリスに難民申請を行い、
18歳までに帰国するという条件付きですが、
今ロンドンに住んでいるそうです。

映画の宣伝では"自由を求めて"という説明が付けられていたが、
実際は政治的・心情的な理由に加えて、
経済的に成功したいというインセンティヴも働いているように描写されていました。
監督もインタヴューで
"政治難民経済難民のあいまいさを描きたかった。
その違いをはっきり定義するのは、難しいからね。"
と言っています。
公式サイトはこちら

映画というより、
映画の形を借りたドキュメンタリーと捉えたほうが適切かもしれません。

主人公が理解出来る言葉以外は
字幕が付いていないのも、監督の取り計らいだそうです。
おかげでかなり感情移入出来ました。
難民問題を考えてみようという人にお勧め。

イン・ディス・ワールドイン・ディス・ワールド
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