2001年参議院選挙の小泉効果の分析01

2001年参議院選挙で、小泉氏が自民党総裁に就任したことが、
有権者の選挙行動にどういった影響を及ぼしたか考え中。

池田謙一教授による2001年参議院選挙の「小泉効果」(「選挙研究」19号)によると、
小泉「便乗効果」が内閣業績期待と小泉氏への感情温度を通じて生じている、とのこと。
根拠となったのは、参議院全国調査の事前・事後のパネルデータ。

総裁選途中の2001年4月の調査では、自民党を「拒否政党」と考える人の比率は41%(共同通信調査)だった。ちなみに小泉氏を適任と考える人の中で、自民党を「拒否政党」と考える人は47%(同)。それが、小泉氏が首相に就任すると自民党を「拒否政党」と考える人の数は11%に激減。これは「小泉氏への支持が自民党に対する支持を押し上げる過程を明瞭に示している」とのこと。以下データ
                ▼4月26日に政権発足
          02月  04月  05月  06月
自民党拒否政党比率     41       11
内閣支持率     09       86   85
自民党支持率            37   43
(%)

ただし、投票者の主観の上では政党支持や政策による固い投票、および議員個人に対するpersonal voteも従来と変わらず観察されているため、「人気便乗」とまで呼んで良いかどうかは別問題。
以下データ。

投票の際の考慮要因(%)
               選挙区    比例区
首相や内閣に対する支持    56      56
(自民党支持者の内)

政党支持           64      68
各党の政策          38      37
候補者個人への支持      44      26

また、小泉内閣に対する期待については
「財務構造改革に対して」、かなり期待出来る + 期待できる が合わせて63%。「全体として」63%の期待。あまり期待出来ない+期待出来ないの11%を大きく上回っている。
(5点尺度 事前調査データ)
政策的な期待の大きさが投票の中にも浸透していたと考えられる。
とのこと。